[コラム|黄省弼弁理士]2016年税法改正案と職務発明の非課税の恩恵
  • 登録日 : 2016/12/15
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2016年の税法改正案の13個の法律改正案の中の一つである職務発明に対する非課税の恩恵に関する議論が熱いです。2016年の税法改正案が施行される場合、2017年1月1日以降に支給される職務発明報償金につきましては、報償額に対し一定の基準を定め、その基準を超える分は勤労所得に分類する予定だそうです。また、職務発明報償金を退職後にもらう場合は、その他の所得に分類し、課税する予定だというが、現実的にどのような変化をもたらすかは疑問です。


中小企業で出願、登録された特許の発明者は企業の代表である場合が多々あり、実際、代表の場合、名目上の発明者にすぎず、発明には参加しない場合もあるはずです。従って、使用者として所得税と法人税の税額控除を受けると共に、発明者として非課税の恩恵を受けることもあり得るため、このような検閲無き特恵に関する論議が存在し続けてきました。2016年7月28日に発表された2016年の税法改正案は、このような問題点を改善するため、従来とは違って職務発明報償金による恩恵に制限を加えるものと判断されます。

 

発明と関わりのない者を発明者に含ませて、非課税の報償金を取り、使用者の立場でこれを会社の費用に処理する問題に対する補完策が提示されたものと思われます。ただし、改正案は職務発明の報償金に関するものであり、使用者に対する税額控除の恩恵(職務発明の報償支給額に対し税額控除)に関する改正事項はありません。


職務発明における税制の恩恵に関する改正はこれからも続くと思われます。矛と盾の論理から見て、改正された法律を悪用する事例は依然として存在するはずです。様々な理由で幾つの発明が一つの出願に含まれる場合もあります。現在、登録を受けた場合だけ、報償金の非課税が認められているので、独立項の登録が可能であれば、従属項を別途の発明に分けて登録を試みることもできます。親出願だけを報償金の支給対象と規定するのは立法的に簡単ではないと思われます。以後、特許維持年金の負担があるので3年次以降の特許維持年金の納付を諦めることもできます。また、デザイン出願が活発に進行されるかもしれません。デザインも職務発明報償規定が適用されることはもちろん、特許に比べて多少登録が容易である側面もあるからです。

 

非課税になる補償金の範囲に関する論議も進行し続けています。現在は特許が登録された後、従業員に支給する補償金が全額非課税の対象であることは明確です。過去、国税庁と監査院は登録された権利に対し、支給された実施料に対する報償金を発明報償金と見なさず、課税の対象と判断したことがあります。しかし、最近韓国電子通信研究院(ETRI)などがこれに不服し、結局、大法院から技術実施料に対する報償金は、発明者報償金に該当し、従って、これは非課税所得であるという判決(大法院2015.04.23、言渡し、2014ドゥ15559、判決)を受けました。

 

ただし、実際中小企業の場合、代表が発明者である場合が少なくありません。従って、支援法律の悪用を防止し、これらの発明を奨励するため報償金の範囲と支給限度に最大限の自律性を付与し、税逃れのため本制度を悪用した場合、強い懲罰的処分をする立法案も考えられると思います。

 

個々人の成熟した道徳意識の涵養は社会の発展に静かに大きく貢献します。人間の欲望を源泉的に統制するための努力も良い試みだと思います。しかし、最大限の自律性を保障するが、これを悪用する場合、誰にでも例外なく強力な処罰をすることができる法が定着した社会を作っていくのが我々の役割ではないかと思います。

 

現行税法による職務発明関連課税の対象

1.使用者からもらった特許権及び実用新案権に関わる報償金は、所得税法第5条に定められた非課税その他の所得に該当します。

2.現行税法に従う場合、従業員がもらった職務発明報償金の中、登録された場合に限って(単に出願されたり、出願後拒絶された場合は除く)非課税となります。

3.使用者が報償の形態を職務発明報償金ではなく賞金(従業員に支給する功労金・慰労金など、事実上給料に属する賞金 )で支給する場合もあります。このような場合は、勤労所得と判断し、課税の対象となります。

4.褒賞金(優秀発明職員)の場合、従業員の特別な功労に対して、競進・経営・展覧会などで優秀な者に支給する賞金とみて、その他の所得に該当し課税の対象です。

5.使用者が支給した職務発明報償金は研究人力開発費で所得税又は法人税控除の対象となります。